野良猫の隠れ家

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月の彼方で逢いましょう【つきかな】 感想・レビュー

 

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toneworks.product.co.jp

 

今回はtoneworksさんから発売された「月の彼方で逢いましょう」をプレイしたから感想を書いていくよ!

 

 

 

 

 

 ネタバレ注意!

 プレイ後の閲覧を推奨します!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全体感想

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今回は学生編とアフター編が複雑に絡み合っていてと特に灯華ルートではかなり意識させたものとなっています。そういう意味ではかなり挑戦的な作品だと思います。

 

 

感想としてまず、ルートごとのクリア後の圧倒的読了感と虚空感と脱力感が半端なかったです。なんだろうな、日常系のアニメの最終回を見終わった感じが一番近いですね。見終わったあと物事が手に付かない感じです笑。
 
私はtoneworksの作品で星織しかやっていなくてなんとなく星織をイメージしてプレイをしたら良い意味で裏切られました。だけど正直共通ルートをやって思ったのは星織と比べるとかなりパワーダウンしていると思った。(シンプルでテンポがよくなったとも言う)というのも共通ルートはほとんど灯華とうぐいす先輩のルートだったから。そういう意味ではこの作品はこの二人がメインかもしれない。
 
 
 
今回は学生ルートとアフタールート含めての作品ですので仕方のないことかもしれません。パワーダウンしていると思った理由はもう一つあって、メインヒロイン同士の絡みが少ない。ということです。やはりメインヒロイン同士の絡みは個人的にですけど欲しかったです。星織は他のルートでも他のヒロインが魅力的に見えるなんてことがあるのですごいですよね。
 
ヒロインたちの魅力が少し感じづらかったかと個人的に分析すると、星織は夢や約束を語るヒロインが多く、非常に魅力的に見えました。夢を追いかけるヒロインってすごい魅力的ですよね。しかし今作のヒロインはあまり自分のことを語らずといった等身大の高校生感があったためだと考えています。
 
でもそれも青春のひとつと捉えてみても面白いかもしれません。スポーツだったり、恋とか馬鹿なことをするだけが青春じゃないんだよと不安だったり、焦りだったり、うぐいすルート的に言うとその当たり前なこと全てが青春だったんだ的なね。
 
といっても今回のヒロインは(主人公も含めて)ヒロインごとに異なる「未来への不安」が描かれていてルートの核となるものなので描けなかったというのが本当のことかもしれません。ルートに入るとヒロインのやりたいことや秘密が発覚します。そういう意味では主人公と同じタイミングで秘密がわかるというのは没入感があって結構感情移入感というか引き込まれる感じがすごい。これが圧倒的読了感と虚空感につながっているのかもしれないですね。
 
 
 
toneworksの傾向として(銀春やってないのでわからないんですけど)ヒロインとは別で主人公の苦悩と成長を上手く描いていますが、今作品もかなり濃く、上手く描かれていると思います。読むのが辛かった泣。最後はハッピーエンドっぽくするのもtoneworksっぽくてすごく好きです。その辺は個別ルートで語れればいいかなと思います。
 
今作は小説を書いている主人公に合わせているのかわかりませんが、あえて全てを説明せずに作品的に言うなら余白を大事にしているなーと素人ながら思いました。あとは読者に想像を任せます、みたいな。
 
あと、うぐいすルートと灯華ルートで二人のヒロインと雨音のルートでかなりテイストが違う感じがしました。私はどちらも好きです。まあシナリオライターが複数いるからこの辺はライターの味というやつでしょう。
 
 
 
 
 
 
 
 

 灯華ルート

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かなり面白い。

 

恐らく一番学生編とアフター編が絡み合った今作のメインのルートかなと思ってます。ただ、アフター編ではサブヒロインへの分岐があるので途中まで灯華ルート!!って感じがしなかったのも確かですね(笑)

 

今回驚いたのはメインなのは未来の主人公だったこと。だいたいこういうのって基本未来の自分からメッセージが来て今の自分が色々変えていく!って感じな気がしますが今作の主人公はあくまで未来の自分なんですよね。(捉え方にもよるかもしれないけど)

 

だからなのかわかりませんが個人的に物語としては面白いんだけど、エロゲの醍醐味である没入感のようなものが得られませんでしたね。(エロゲの楽しみ方はたくさんあるので一概に言えませんが)

 

というのも灯華の問題を解決するのはあくまで過去の自分で未来の自分はほとんど待っている感じがしたんですよね。まあ未来の自分も過去の自分も自分といったら自分なんですが(笑)

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まあ、まさにこんな感じ。自分なんだけど自分じゃない感じがしてルートを進めてもダイレクトに伝わってこない感じがしたんですよね。

 

 

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ただ、未来の主人公が過去の自分へアドバイスをしたり、協力して灯華の居場所を探したりと仕組みを利用した面白い場面もいくつもありました。もうちょっとこういう場面が多かったら個人的には良かったですね。難しそうだけど。

 

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電波塔の少女の設定が変更されるかされないかというのが過去と未来のどちらをとるのかというのを重ね合わせてうまく表現されています。

 

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と同時に未来の主人公が過去の主人公に影響を受けて苦悩しながらも成長していく過程が描かれていて面白いですね。互いに影響されながらっていうのがいいですよね。

 

 

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最後にこの設定が出てきて灯華が未来の(?)灯華が中継役だったのかな?スマホも未来の灯華が文芸部に置いていたら辻褄が合う気がする...?よくわからん?明言されてないからこの辺は読者の想像にお任せしますってことかなー

 

ラストシーンで再開するんだけどこう言う感じって君の名はに少し似てるよね笑

 

 

 

うぐいすルート

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こちらもかなり面白い。

 

やはりこのルートで焦点となるのはラストあたりのエンデュミオンを手に入れてからの主人公の行動でしょう。エンデュミオンを手に入れて過去と未来が繋がるということを知った主人公は過去を変え、未来も変えました。
 
正直かなり評価が分かれるところだと思います。それはなぜか?
主人公の行動はうぐいすの「死ぬことがわかっいても主人公と一緒にいたい」という気持ちを踏みにじってるからですね。過去を変えるということはその気持ちもなくなるということです。うぐいすの立場を見ればたまったものではないし、正直私もうーんどうだろうなーと思いました。
 
もし一番物語として綺麗に終わらせたかったら、エンデュミオンを見つけたあたりで終わらせたら一番綺麗かもしれませんね。(素人考えですが)そこからどう想像するかは読者次第だしそういう終わり方もありっちゃ有りかもしれない。もしくエンデュミオンを使わず立ち直った主人公を描くか。
 
だけど、過去を変えるところまで表現したのは主人公の「付き合ってない未来になったとしても生きて欲しい、それでも会いたい」という主人公なりのエゴを表現したのかなーと私なりに考えています。
 
うぐいすの「死ぬことがわかっていも主人公と一緒にいたい」という気持ちも言ってしまえばエゴなんですよ。途中で治療を断念してるし。本来ならきちんと直すべきだった(新薬ができたのは結果論ですが)。人間らしさというかエゴの固まりな感じが描かれて胸が苦しくなりましたね。
 
ちなみに鶯の寿命は2-5年くらいで野生では最長8年らしいです。なんとなくこのルートに重なってきますね。
 
 
 
 ラストシーンは龍恋の鐘の前でしたね。もしかしたら改ざんされた歴史では学生時代に鐘を鳴らしていなくて歴史の強制力が働いてた...?みたいなことがあったら面白いですね。
 

 

 

 雨音ルート

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かなりかわいい。

 

エンデュミオンを開発したポールグレイを父親にもつ少女。

このルートでは二人のルートと違い、過去を掘り下げていました。このルートでもエンデュミオンがかなり重要なパーツとして登場します。テーマとしては過去との決別と未来への前進みたいのところがある気がします。
 
雨音は学生ルートでかわいかった印象しかなかったなー(笑)
一挙手一投足が可愛かった。(ここ重要)
 
個人的に注目したいのはアフタールートです。主人公がエンデュミオンの調査を無駄といいながらも協力していたのはやはり可能性を感じていたからなのでしょう。そして必要だったのは両親がどんなことを考えていたのかという真実でした。未来へ歩き出すためには過去を知る必要があった、それを可能にするのがエンデュミオンだったんですね。
 
非常に面白いルートだし、感動しました。あと、灯華うぐいすルートで心にかなり来てたので割と癒し枠になりました(笑)結婚して子供ができるまでが描かれていてとても良いルートでした。
 
 

聖衣良ルート

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このルートね、メッチャ好き。大好き。

メインなのか、エンデュミオンが絡めていなかったからサブヒロインなのか、よくわからん。

 

とにかく可愛いの!

 

メインのルートでは主人公がいろんな形で小説家になるのですが、アフターで再び出会った二人。そのあまりの違いに色々このルートでは聖衣良の才能と自分の才能を重ね合わせてあってとても胸が痛くなりましたね。

 

夢をかなえるっていうのはもちろん努力が必要なんだけど、才能だったり運だったりも必要です。才能がないってあきらめた主人公は才能があり、夢に向かって邁進している聖衣良を比べ、落ち込んでいたりそのせいで色々あったりと面白かったですね。

 

栞奈ルート

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正直かなりレベル高かった!栞奈はダークホースですね!

サブルートかと思ったら全然、何ならサブのほうが...なんてことがあるかもしれん。プレイした方の中でも栞奈ルートが面白かったなんていう方がいたんじゃないですか?

 

特に栞奈ルートは他の二人と違って、スチルも多く気合いが入っているのがわかります。栞奈の漫画にかける思いだったり主人公の編集としての自覚や苦悩、成長が面白く描かれています。本当に面白かった。今回のメインヒロインが挑戦的な感じで描かれていますが、サブルートでは安定的な面白さが垣間見れますね。

 

 

霧子ルート

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このルートね、よかったほんとに。(恍惚)

 

サブルートやってない人とかいるんじゃないですか?やったほうがいいよ!

 

ラストシーン、一度負けたビリヤードに勝つあのシーンとか最高ですし、自分の想いを小説で書くのも本当にいいと思います。(最高)

ちなみに霧子さんは35歳らしいです。嘘だろ!

 

もうちょっとルートの続き見たかったなー

 

 

きらりルート

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個人的にお姉さんキャラが好きなんですけど、この方はかなりドンピシャですね。才能のある月ヶ洞きらりを編集として支えていくルートです。このルートもかなり面白いし、きらりのエロさが際立つルートです。

 

↑このスチルはラストシーンあたりなんですが、わざわざ主人公を連れてきてこういうことをしているのは少しの恥ずかしさが出ていてかわいらしいですね。

 

ラスト小説を書き上げたシーンはまあ、ちょっと駆け足だったなーと感じましたが、面白かったのでサブルートだししょうがないかなーと思います。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。私は個人的にtoneworks第二作品だったのですがかなり満足してます。感想でも言ってますが、今までの学生、アフターという仕様に対して手を入れたかなり挑戦的な作品だったのではないでしょうか。メインヒロインで挑戦的なことをして、サブルートでは安定した面白い作品が出来上がっています。toneworksにははずれがないなーと個人的に思います。そもそも4作しか出てないが(笑)

 

あと曲ですね。あまり触れていませんが、OP曲の月の彼方で逢いましょうだったり、with tomorrowなど神曲などがそろっています。ホントにすごいわ。

 

 

是非手に取ってプレイしてみてほしいです!

 

 

 

独り言

各ルートで絶対振られるもしくはほとんどそれに近いことされてる奏汰君かわいそうって思った人いませんか。これ絶対一度振られるっていう歴史の強制力が働いてるでしょ(笑)

 

 

 

 

 

あと、

 

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これは灯華のキャラクター紹介ページ

 

銀色遥かからみたいですが、シナリオスタッフもきちんと明記されています。あまりここまではっきり書いているブランドはあまりないなと思って感心しました。気になったルートを書いてるスタッフさんを他のゲームや媒体で探してみてはいかがでしょうか。

 

あ、あとちょこちょこ出てる星織ユメミライも面白いので是非手に取ってみてください。

 

 

今日はこんなところで!ではでは!